私たちの「障害」観

この国の「障害」観は、厚生労働省の「障害等級表」に示されているように、「障害」を身体的・精神的欠損(欠陥)と捉えています。そこから、この人たちを「穀つぶし」「役立たず」と蔑視する考え方が生まれます。それは、人間を国家の進歩・発展に貢献できるかどうかの物差しで選別する「優生思想」そのものと言わなければなりません。

 私たちにとっての真の課題は、「欠損」の除去にあるのではなく、この人たちの「しょうがい」という固有の世界がもたらすイレギュラー・バウンド(無用性・無力性・非生産性・非合理性・非日常性・詩的世界・・・)を捕球する、私たち多数者側のギアチェンジにかかっていると考えます。つまり、「病気や障害はその人に<何か>が欠けていることを示すのではなく、その人に<何か>をもたらしている」(最首悟)のかも知れないと感得するのです。


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